アンティーク食器と和食/組み合わせて使う楽しさ
アンティークを日常に取り入れることは、もはや流行を通り越して、今では定着している流れではないでしょうか。高価で、時には壊れやすいアンティークですから、いきなり買うには敷居が高いと思われるかもしれません。古くて味のあるものを取り入れたいときは、家具や絵画などの大きなものより、食器から手に入れるのがおすすめです。まずはお気に入りの一枚を見つけることが、楽しみの第一歩です。
アンティークの器を普段の食事に使うこと
アラビア 24h avec/20㎝
一食のメニュー全てをアンティーク食器で揃えるのは気を使う上、食器全体のボリュームが大きくなってしまいます。
和食中心の食事なら、アンティークの器を少しにして、あとは和食器で揃えると良いでしょう。アラビアの24havecシリーズは、一度は廃盤になりましたが、今では復刻版が流通しています↓
アラビア ルスカ プレート/17.5㎝
儚く壊れやすいイメージのアンティークですが、器には丈夫なものも多いのです。
その代表格が、北欧食器です。
映画『かもめ食堂』が空前のスマッシュヒットで、雑貨好きな日本女性の話題をさらいました。以降、北欧雑貨はあらゆる年代に注目されるようになりました。
思い切って日本を飛び出し、フィンランドで食堂を営むことにした主人公サチエの奮闘、お店のインテリアや器選び、提供するメニュー、シンプルながらセンスの光る服装、古めかしい花柄のエプロン、どれをとっても見どころがあり、細かに鑑賞した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
日々の食事に割く時間が多くを占めていることを思うと、普段の食卓で楽しむ何かがあれば、人生も緩やかに変わっていくものなのでしょう。
普段の食事に、自分に馴染むアンティークを少しだけ加えて、毎日に張り合いができるのは素敵なことです。
入手しづらい一点ものの器は、今後の楽しみにとっておいて、最初は復刻版の買い求めやすいものから手に入れるといいでしょう。
セリア ガラス風プラスチックボウル&プレート 赤い樹脂ボウル&プレート
アンティークの器は、派手な色の樹脂やプラスチックのお皿ともよく合います。
ルールはありませんから、お好きな色で揃えてもいいのです。
ポップな色、柔らかいパステル色、艶消しの銀器やアルミ製のものなど、チープな小物なら冒険しやすいです。
日本の畳のようなデザイン。
20㎝以下のお皿を選ぶと使いやすいです。
20㎝の平皿は、お魚の干物のように、食べるときにどうしても散らかるようなものに使うと勝手が良いです。
渋めの和食器との相性ぴったりな北欧ヴィンテージ
アラビア カトリーリ カップ&ソーサーのカップのみ
アラビア ルスカ プレート/17.5㎝
ルスカは、日本の萩焼や信楽焼の器に似ています。
丈夫で長持ちしますから、小さいサイズのものから取り入れると便利です。
食洗器、レンジ、オーブンに対応。
カトリーリは、あまり市場に出回らないシリーズです。専門店で、運が良ければ見つけることができます。希少価値が高く、本国フィンランドでもなかなか見つけることができません。製造年数は、たった2年程です。
アンティークの器は製造されていた期間や生産量によって、流通の量が左右されます。
ルスカは世界中にコレクターがおり、比較的製造量があったため、今でもきれいな状態のものが、時々ですが手に入ります。
この二つの作者は、ウラ・プロコッペというフィンランドのアラビア社を代表する女性デザイナー。惜しくも61歳で亡くなりましたが、それでも多くの素晴らしい作品を世に送り出してくれました。
工房で製作される食器は、ほとんどが手書きです。ときには、ちょっとしたペイントミスが。
左 アラビア マルヴァ プレート/14.5㎝
右 アラビア アスタ カップ&ソーサーのソーサー部分のみ/13㎝
パーツのみの販売が出回っています。
カップを割ってしまったのか、はたまたカップだけは所持していたかったのか。
コレクターはどこかのパーツが欠けると、足りない部分だけを購入することがあります。
私は丁度良い大きさのソーサーだけを普段使いしています。アラビアのアスタは、ソーサーだけ4枚セットで販売していたもの。掘り出し物で、1枚当たり800円程で買うことができました。
小さいお皿は、いつでも出番を待っています。本来はカップに重ねて使うものだけれど、気にせず好きに使えばいいのです。
自分の作る料理に似合いそうな器を。
グスタフスベリ ポーリン プレート/17㎝
スウェーデンを代表する陶芸家パウル・ホフが描いた作品、ポーリンです。老舗グスタフスベリ社で5年在籍した後、コスタ社に移籍し、ガラス製品の創作へ情熱を傾けました。
ポーリンも流通が少ないシリーズで、なかなかお目にかかれませんが根気よく待てば、まれに出会える器です。深い緑色の花の絵は、日本の絵付けのようです。
イッタラ ティーマ オリーヴ カップ&ソーサーのソーサーのみ/14㎝
植物をモチーフにしたものが多く、色も自然を表した北欧の器。
北欧の芸術家たちは、自然に対する敬意をデザインで表現しました。
日常に身近な存在として控えめに、そこにある芸術品。
特別な日でなくても少し豊かな気持ちで、台所に立つのは心地よいことです。
自分のやりたいことや、楽しみを惜しまない
アンティークの器や道具は、しまい込まずに使ってみてはいかがでしょうか。
古くなって傷ができても構わないし、修理して長く使えばいいのです。そう決めてしまうと、気持ちが楽になります。
アンティークの器を取り入れると、素敵な副産物がやってきます。
ぜひ、おうちに、ヴィンテージの器を迎えてみてください。
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