喫茶店のレトロな世界に癒される!カフェとの違いや日本生まれのメニューをご紹介

2021.01.22
お出かけ
喫茶店のレトロな世界に癒される!カフェとの違いや日本生まれのメニューをご紹介

レトロな世界へタイムスリップしてみませんか

「喫茶店の昔懐かしい雰囲気が好き」 「週末の決まった時間は、お気に入りの喫茶店で過ごす」 一度喫茶店の魅力に惹かれると、知らずのうちに足が向いてしまいますよね。 そして喫茶店といえば、店主こだわりのコーヒーが欠かせません。喫茶店はコーヒー文化の普及とともに、長い歴史を辿ってきました。

今回は喫茶店とカフェの違いや日本のコーヒー文化の歴史、日本生まれの定番メニューをご紹介します。歴史を振り返りながら、タイムスリップした気持ちでご覧ください。

都内でレトロで落ち着く喫茶店探してみました。

喫茶店とカフェの違いは?

喫茶店とカフェの違い 喫茶店とカフェの違いは、「喫茶店営業」と「飲食店営業」という営業区分にあります。 喫茶店営業は、お酒の提供や調理ができません。一方飲食店営業は、お酒の提供も調理も可能です。その分、喫茶店営業よりも厳格な設備要件を満たす必要があります。 これらの営業区分は食品衛生法によって定められているものの、喫茶店と称する場合でも飲食店営業の許可があれば料理やお酒の提供が可能です。反対に、喫茶店営業の許可だけを得てカフェを営業することもでき、その場合コーヒーや軽食のみの販売に限られます。 つまり法律上は営業区分が存在しますが、喫茶店・カフェどちらを名乗るかは店主次第。 店主がどのようなお店を目指したいかによって、呼び名が変わるということです。 レトロで懐かしい雰囲気のある喫茶店、近代的でポップなイメージのあるカフェ。 今日の日本では、これらのお店を気分に合わせて選べますが、このようなコーヒー文化はいったいいつから普及されたのかをご存知ですか。 次は昔に遡って、日本のコーヒー文化を覗いてみましょう。

日本にコーヒーが伝わったのはいつ?

温かみのある裸電球の照明 日本に初めてコーヒーが伝わったのは、鎖国政策の時代。その頃は長崎の出島でのみ貿易が許されており、オランダの商人がコーヒーを持ち込んだと伝えられています。 当時コーヒーを味わえたのは、役人や通訳など限られた人間だけでした。そのため日本にコーヒー文化が普及することはなく、幕末を迎えます。 1858年に日米修好通商条約が結ばれると、コーヒー豆の輸入が正式に開始。その30年後の1888年、日本初となる喫茶店「可否茶館」が東京の上野に開店しました。 創業者は、海外留学の経験がある鄭永慶(てい えいけい)です。フランスの文学カフェがモデルとされ、文学者の集う場になりました。

明治~大正時代に広がったコーヒー文化

珈琲豆の焙煎 明治時代は、喫茶店やカフェが続々とオープンします。コーヒーや軽食を提供する喫茶店・カフェがある一方、キャバレーのような形態をとるカフェも急増。「純喫茶」という呼称が生まれたのは、純粋にコーヒーや軽食のみを提供するお店であることを表すためです。 コーヒー文化が日本に浸透しつつある中、第二次世界大戦によって輸入規制が始まりました。輸入が再開されたのは、終戦以降。それまでは代用コーヒーとして、大豆やゆり根が使用されていました。 戦後の混乱を超え、人々は再びコーヒーのある生活を送るようになります。喫茶店の中でも音楽系喫茶が急増し、コーヒーを飲みながら音楽を語り合う場として人気を集めました。 1990年代にはシアトル系コーヒーチェーン店が日本に進出し、コーヒー文化はさらに発展。今日の喫茶店は昔懐かしい雰囲気をまといながら、近代的なカフェとはまた違った魅力を持ち続けています。

喫茶店で味わう店主こだわりのコーヒー

読書~こだわりの珈琲とともに~ 日本のコーヒー文化の歴史から分かるように、喫茶店とコーヒーは切り離せない関係です。店主がこだわり抜いたブレンドコーヒーやストレートコーヒーを味わうと、日々の忙しさを忘れるような時間を過ごせます。 ブレンドコーヒーとは、様々な産地のコーヒー豆を組み合わせたもの。ストレートコーヒーとは1つの生産地のコーヒー豆を使ったもので、どちらも喫茶店によって種類が変わります。 抽出器具はネルドリップやサイフォンが用いられることが多いですが、味わいと器具も深い関係があるのです。 これらの抽出器具は管理に手間がかかる分、自宅で用いる方は少ないのではないでしょうか。抽出技術も必要なことから、「喫茶店や専門店でこそ楽しめるコーヒー」と位置づけられます。そんなネルドリップとサイフォンですが、どのような特徴があるのかを見てみましょう。

ネルドリップの特徴

ネルドリップ ドリップコーヒーのフィルターと言えば、上の写真のようなペーパーフィルターを一番に思い浮かべるのではないでしょうか。ネルドリップとは、起毛のある柔らかい布をフィルターとして使用する抽出器具です。 まろやかな味わいの珈琲 ペーパーフィルターに比べると目が粗いため、その分多くの成分が通過します。舌触りはトロっとしていて、コクのある味わいになるのが特徴です。ネルドリップは手入れに手間がかかるので、朝の忙しい時間に自宅で淹れるのには向きません。 喫茶店でこそゆっくりと味わえる、ネルドリップ。 まろやかで優しい舌触りと一緒に、心まで包まれる感覚をお楽しみください。

サイフォンの特徴

香り高く深みのあるサイフォン式珈琲 サイフォンは、理科の実験を思い出すような抽出器具です。上部は漏斗、下部はフラスコで構成されており、蒸気圧を用いて抽出を行います。 フラスコに入れたお湯が沸騰すると、熱湯が漏斗内に上昇。漏斗内でコーヒーの粉と熱湯を接触させて抽出します。最後にサイフォンを熱源から外し、コーヒーがフィルターを通って下部のフラスコに落ちれば完成です。 熱々のコーヒーができあがるため、香りを楽しむことができますよ。熱湯かつ短時間で抽出する分、味わいにやや重みを感じられるのもサイフォンの特徴です。実際に目の前でサイフォンを用いて抽出してもらうと、華やかな演出に心がワクワクしたことを思い出します。

実は日本生まれの喫茶店メニュー

ボロネーゼ 喫茶店のコーヒーももちろんですが、どこか懐かしい気持ちになれるフードメニューも喫茶店の魅力ですよね。 洋食文化が反映された喫茶店のメニューですが、実は日本生まれの食事も多くあります。 日本で誕生したのは、ナポリタン・エビフライ・ドリア・プリンアラモード・コーヒーゼリーなど。洋食文化が広まった時代に、今日まで愛され続けるメニューが誕生したのです。 これらは洋食屋やホテルなどで考案され、喫茶店メニューにも定着しました。令和の今日、便利さを感じつつも多くの情報に疲れてしまうことはありませんか。そんな時は喫茶店で昔懐かしい味わいを感じつつ、喫茶店が辿ってきた歴史に思いを馳せるのも悪くないでしょう。

レトロな雰囲気に癒される時間を

レトロな雰囲気があるレコード 喫茶店が誕生してから100年以上が経ちました。近代的でポップなカフェももちろん素敵ですが、喫茶店のレトロな雰囲気には癒しをもらえます。「たまには気分転換したいな」という方は、ぜひ喫茶店に足を運んではいかがでしょうか。

お家でレトロ喫茶を楽しむ方法♪

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