『神戸・垂水』潮風を感じながら レトロな垂水のまちをぶらり

2021.05.19
お出かけ
『神戸・垂水』潮風を感じながら     レトロな垂水のまちをぶらり

神戸の中心地から西へ約20分。JR・山陽電鉄垂水駅を降りると、フワッと潮の香りがしてきます。古くから漁師のまちとしても賑わいを見せる「垂水(たるみ)」。淡路島と神戸を結ぶ、世界一の吊り橋「明石海峡大橋」があることでも知られています。
そんな垂水のまちを、カメラを片手にぶらりお散歩。そこで出会う、どこか懐かしくてきゅんとする、お店やスポットをご紹介させて頂きます。

垂水駅のすぐお隣にある『海神社』

海の神様が祀られている海神社

海神社
まずは、JR垂水駅のすぐ目の前にある海神社へ。大きなクスノキの下をくぐるとそこは、とても静かな時間が流れています。
海神社は「かいじんじゃ」や「わたつみじんじゃ」とも呼ばれ、航海安全、漁業繁栄を願う、海の神様が祀られてきました。その歴史は、806年の文献にも登場する深いもので、古くから地元の人たちに大切にされてきました。

初詣にはたくさんの人が参拝に訪れ、毎年7月に行われる夏祭り、10月に行われる秋祭りもとても人気です。
参道にはずらりと出店が並び、色とりどりの提灯が夜を飾り、神輿がまちを練り歩きます。また垂水漁港では、たくさんの漁船がカラフルな大漁旗を風になびかせ、その姿は圧巻です。
ヨーヨー釣りに、金魚すくい、子どもの頃に帰ったようなワクワク感。大人になっても、お祭りは楽しいものですね。

垂水漁港にある喫茶「うず潮」の釜揚げしらす丼

垂水漁港
海神社の少し海側には、神戸市漁業組合が運営している喫茶「うず潮」があります。実はあまり知られていませんが、ここの「釜揚げしらす丼」が美味しいんです。垂水漁港で上がったしらすが、釜揚げにされ、たっぷりのって、お味噌汁、お漬物付きで700円。大盛だと800円です。
フワフワのしらすが、口いっぱいに潮の香りが広がって、とても幸せな気分。
また、窓から見える垂水の海もとても綺麗で、カモメの飛ぶ姿を見ながら、思わずぼーとしてしまいます。(火・日曜日 定休日)

垂水商店街をぶらり

垂水商店街
JR垂水駅・山陽電鉄のすぐ北側に広がる垂水商店街。神戸では三宮、神戸、元町に次ぐ規模の商店街です。戦後すぐ垂水廉売市場からはじまり、昭和30年には銀座通りに、たくさんのお店が並ぶようになりました。
今回はここ垂水商店街で、地元の人に愛されている2軒のお店を紹介いたします。

喫茶レストラン『ブラジル』

喫茶レストランブラジル
この地域に住んでいる人なら誰もが知っている、喫茶レストラン「ブラジル」。1973年に垂水商店街にオープンし、もうすぐ半世紀となります。ショーケースにはたくさんのメニューが並び、その数200以上とか。お客さんのリクエストを聞いているうちに、こんなに増えてしまったそうです。
お店のなかに入ると、昭和にタイムスリップしたような心地よさ。グリーンのライトに、アンティークの時計。懐かしいけど新しい。そんな気分を味わえます。

ブラジルだけどマッターホルン

マッターホルン
そして、こちらで有名なのが高さ55センチのパフェマッターホルン」。20数年前、お店の目玉商品にと縦長の器にミックスジュース、アイスクリーム、自家製プリン、フルーツと重ねるうちに、この高さになってしまったそうです。そこで「高いと言えば、マッターホルン!」とこの名前が付けられました。
ブラジルなのにマッターホルン?そこは食べながら、ぜひツッコミを入れてくださいね。

モーニング・ランチ・ワッフルも人気

ブラジル内装
今回はスタッフおすすめの、キャラメルワッフルを頂きました。
大きくて香ばしいワッフルに、カスタードクリームが挟まり、塩っ気のきいたナッツとアイスリームがトッピングされて、とても美味しかったです。
また、モーニングやランチも人気だそうですよ。

モーニングサービス 8:30~11:00
日替わりランチ   11:00~14:30
(土日祝は日替わりランチはお休みです)

陸(くが)ノマル井パン

マル井パン
昭和生まれの私が、子どもの頃からあったパン屋さん。以前は山陽バス・ロータリー近くにありましたが、ロータリーの再開発が行われ、お店も商店街へと移転しました。
現在のお店も当時の雰囲気がそのまま残っています。店内からパンを焼いている様子を伺うことができ、窯から出したパンがすぐ店頭に並ぶ様子は懐かしい当時のままです。

『漬け物ドック』と『やみつきドック』

漬物ドッグ
どのパンもお手頃で美味しくて、ついついいっぱい買ってしまいます。サンドイッチも種類が豊富で、ボリュームもあって人気ですが、ここに来たら一度試して欲しいのが、キュウリの漬け物がまるまる1本入った「漬け物ドック」(夏季限定)。この斬新な姿に思わず「ギョッ」としてしまうのですが、これがなかなのクセ者です。つまり一度食べたらクセになる味なんです。
また「夏以外に、漬け物ドックが食べられないのは寂しい」という声に応えて、発売されたのが「やみつきドック」。唐辛子の効いたピリ辛のキュウリが、キムチソースの塗ったパンに挟まれています。ピリッとした辛さがまさに「やみつき」に。

パワースポット『五色塚古墳』

4世紀後半につくられた前方後円墳

五色塚古墳
垂水商店街を抜けて住宅地を少し進むと、突然、目の前にドーンと「五色塚古墳」が見えてきます。全長は194m。兵庫県で一番の大きさを誇る前方後円墳で、全国でも40番目になります。4世紀後半につくられたとされる古墳には、当時、ヤマト政権と密接な関係があり、明石海峡とその周辺を支配していた豪族が葬られているそうです。

「おーい、はに丸」と思わず。。。

思わず埴輪を見て、そう口ずさんだあなたは、なかなかの昭和通です。
前方後円墳の周りには、2200本ちかくの埴輪がズラリと並んでいます。埴輪のほとんどは鰭付(ひれつき)円筒埴輪というもので、4~6本に1本の割合で、鰭付朝顔型埴輪という朝顔のようなお皿がのった埴輪もあります。
はに丸や、ひんべいのような種類の埴輪はありませんが、そのスケールの大きさと埴輪の数にはビックリします。

眺めは最高!「まさにパワースポット」

円筒埴輪
前方、後方どちらからも見える景色は最高です。眼下には電車が走り、目の前には明石海峡大橋と淡路島が見えます。天気の良い日には、右手に播磨灘、左手には大阪湾、紀伊半島や小豆島も見ることができます。
この日は、明石海峡を大きな黒い貨物船がゆっくりと走っていました。
ヤマト政権時代に思いを馳せながら、悠久の歴史を体いっぱいに感じられるのは、まさにパワースポットです。

開園時間 9:00~17:00
(入場は16:45まで)
定休日  毎週月曜日・年末年始
入場料  無料

入口に事務所があるので、声を掛けてご入場ください。(パンフレット等を頂けます)

さいごに

昭和レトロな垂水商店街を抜けて、五色塚古墳までゆっくりお散歩。そこには古くから人々の生活が息づいていて、どこか懐かしくて、どこか面白いまちです。
今度のお休みは、神戸垂水を「ぶらり」いかがでしょうか。きっと、古いけれど、新しい発見があるはずです。

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