ハイカラな時代にタイムスリップ。レトロな神戸・北野異人館街をお散歩

2021.09.28
お出かけ
ハイカラな時代にタイムスリップ。レトロな神戸・北野異人館街をお散歩

緑あふれる六甲の山々と穏やかな瀬戸内海に囲まれた神戸の街。
開国後に多くの外国との交流の拠点となったことから、街は今でも異国情緒あふれる雰囲気。
特に「北野異人館街」は今でもレトロな建物が立ち並ぶ人気の観光スポット。

歩いているだけで昔のレトロでハイカラな世界に迷い込んでしまったような、神戸北野異人館街の魅力を探っていきましょう。

北野異人館街の歴史

北野異人館の歴史

まずは北野異人館街の歴史を辿りましょう。
歴史は150年前の開港直後の江戸末期から明治時代。
神戸港の開港に伴い多くの外国人貿易商や外交官が訪れましたが、神戸の街には彼らの住む場所が不足していました。

明治政府は外国人の居留を現在の北野にあたる位置に限って認め、整備を行いました。この限られた場所が神戸の山手、港や海が一望できる神戸北野の街。明治時代から昭和初期には約200棟の異人館が建てられました。

戦後の高度経済成長期はビルやマンションへの建て替えが進み、多くの異人館が取り壊されます。しかし1977年放送のNHK連続テレビ小説「風見鶏の館」で取り上げられ、神戸異人館の存在が広く知られるように。
この頃から観光スポットとしての整備や歴史的建造物としての保存に取り組まれるようになります。
そして神戸の人気観光スポットとして多くの人々が訪れるようになりました。

元々はいろんな外国人の邸宅があった

元々はいろんな外国人の邸宅が立ち並んでいた地域。
現在一般公開されている20棟の異人館は、個性豊かで建築様式なども様々。
小さな装飾などにも注目しながら異人館を巡ればより一層楽しむことができます。

では、北野異人館街の見所を巡っていきましょう。

風見鶏の館

風見鶏の館
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

鮮やかなレンガの外壁と尖塔に飾られた風見鶏が目印。
明治42年頃に建築された、北野異人館のシンボル的存在の建物です。
元々はドイツ人の貿易商であるゴッドフリート・トーマス氏の私邸で、迎賓館としても使用していました。

建物全体はドイツ伝統の建築様式。
一方で応接間のシャンデリアや、玄関の飾りなどは、当時のヨーロッパで流行していたアール・ヌーヴォー風。
食堂は天井や暖炉飾りなどが中世の城館風といった風に様々な様式が混ざり合っていて見応えがあります。
食堂以外にも朝食だけを食べる「朝食の間」があるのも興味深いですね。
館内を見学すれば当時の華やかで優雅な暮らしを感じられます。

風見鶏の館
住所:神戸市中央区北野町3−13−3
URL:https://www.kobe-kazamidori.com/kazamidori/
開館時間:9:00〜18:00
休館日:6、2月の第1火曜日(定休日が祝日の場合翌日休)

萌黄の館

萌黄の館
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

萌黄の館は、淡いグリーンの萌黄色の外壁と、2つの異なる形のベイ・ウィンドウ(出窓)が特徴の美しい洋館です。

明治36年に建設され、アメリカ総領事ハンターシャープ氏の邸宅でした。
その後、昭和14年に元神戸電鉄社長の小林秀雄氏の住宅となりました。
国の重要文化財にも指定されています。

館内には小林氏が住んでいた時の調度品なども展示されているので、ハンターシャープ氏が住んでいた明治時代と、小林氏が住んでいた昭和時代の両方の暮らしを感じ取ることができます。

建築や装飾に注目しましょう。館の格式高さが感じられます。
外観はイギリス人建築家のA・N・ハンセル氏が設計したコロニアル様式。
木造2階建ての館には、様々な部分に装飾のこだわりが。
張り出し窓やアラベスク風模様が描かれた階段、暖炉前の飾りやタイルなどには細かい装飾が施されていて、贅沢さを感じます。

そして萌黄の館最大の見所は2階のベランダ。
サンルームのような造りになっていて、港町神戸の景観を一望。
キラキラと光が反射して、とても美しい眺めを見ることができます。
このベランダのガラス窓にも、細かい幾何学模様が描かれています。
随所にこだわりを感じますね。

館全体の色や装飾がとても美しくて、海を見渡せる北野の雰囲気にとても映えています。思わず写真を撮りたくなってしまう北野のフォトスポットですよ。

萌黄の館
住所:神戸市中央区北野町3−10−11
URL:https://www.kobeijinkan.com/ijinkan_list/moegi
開館時間:9:30〜18:00
休館日:2月の第3水曜日(定休日が祝日の場合翌日休)

うろこの家

うろこの家
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

うろこの家は、神戸で最初に公開された異人館。
北野異人館街の中でも、特に見晴らしのよい高台に建っています。
元々は外国人のための高級借家として明治後期に建てられましたが、大正時代に入って現在の場所へ移築されたと伝えられています。

館は木造2階建て。天然石の「スレート」で覆われた外壁が、魚のうろこに似ていることから「うろこの家」の愛称で親しまれています。
「スレート」とは日本では瓦などに古くから使用されている天然石のこと。
うろこの家で使用されているスレートの枚数はなんと約3000枚だそう。
まるでヨーロッパのお城みたいな館に圧倒されます。

アンティークな館内展示
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

うろこの家では館内展示もみどころのひとつ。
アンティークな家具や調度品など、当時のインテリアがほぼ完全な状態で保存されていて、レトロで上質な空間が広がっています。
目を閉じれば、当時の華やかな暮らしが蘇ってきそうですね。

他にも「エミール・ガレ」のガラス工芸品、「マイセン」のカップやお皿、「ロイヤル・コペンハーゲン」の優品なども展示されています。
美しい物を見て、心満たされる時を過ごせますよ。

ポルチェリーノの猪
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

お庭には少しユニークなスポットも。
「ポルチェリーノの猪」という猪の像があるのですが、猪の鼻を撫でると幸運になると伝えられていて、ちょっとしたパワースポットにもなっています。

うろこの家
住所:神戸市中央区北野町2−20−4
URL:http://kobe-ijinkan.net/uroko/
開館時間:(4月〜9月)9:30〜18:00
    (10月〜3月)9:30〜17:00
休館日:年中無休

山手八番館

山手八番館
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

山手八番館は、大正時代にサンセンの私邸として建てられた洋館です。
「チューダー様式」といわれる塔屋が3棟連結するユニークな外観が特徴で、入り口のステンドグラスがとても美しく輝いているのでぜひ注目してください。

山手八番館は、館内がまるごと美術館のよう。
まずは彫刻作品。
彫刻の三代巨匠である「ロダン」「ブールでる」「ベルナール」などの西洋と東洋の彫刻作品を見学できます。
他にも仏像美術や西洋版画など、とにかくあらゆるジャンルの美術品がびっしりと展示されています。
レトロな洋館に所狭しと飾られた美術品の数々は、ちょっと不思議な世界観を醸し出しています。

そして館内にある不思議なスポットをご紹介。
それが「サターンの椅子」。

サターンの椅子
引用:神戸北野異人館街  https://www.kobeijinkan.com

ローマ神話の神であるサターンの彫刻が施された椅子で、「願い事が実り叶う椅子」と伝えられています。
元々は19世紀に製作され、イタリアの教会にあったといわれているそう。
2組に並んだ椅子はちょっとドキドキする神秘的な雰囲気。
願い事が叶うパワースポットとしても話題の不思議なスポットです。

山手八番館
住所:神戸市中央区北野町2−20−7
URL:http://kobe-ijinkan.net/yamate/
開館時間:(4月〜9月)9:30〜18:00
    (10月〜3月)9:30〜17:00
休館日:年中無休

まとめ

レトロな建物が立ち並ぶ、神戸北野異人館街をご紹介しました。
建物の他にも、お洒落でちょっぴりレトロなカフェやお店もたくさんあって
お散歩が楽しい街ですよ。
ぜひカメラ片手にゆっくりと訪れてくださいね。

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