日本人が開発?インスタントコーヒー・缶コーヒーの歴史

2021.10.01
フード
日本人が開発?インスタントコーヒー・缶コーヒーの歴史

コーヒーが好きな人は、普段どのような方法で楽しんでいますか?自分でドリップしたり、カフェでエスプレッソドリンクを買ったりと、コーヒーはさまざまな飲み方がありますよね。

本格的なコーヒーが美味しいのはもちろんですが、手軽に飲めるインスタントコーヒーや缶コーヒーが好きという人も多いはず!これらは、日本人が開発したというのをご存知でしょうか。今回はインスタントコーヒーや缶コーヒーにまつわる歴史をお届けします。

溶かすだけのお手軽コーヒー!インスタントコーヒーの歴史

インスタントコーヒーの歴史

まずは溶かすだけで簡単にコーヒーができる、インスタントコーヒーの歴史について紹介します。インスタントコーヒーには瓶入りのものやスティックタイプのものがあり、「すぐにコーヒーが飲みたい」というときにピッタリ。

そんなインスタントコーヒーのはじまりは、100年以上も前のことでした…。

日本人科学者がコーヒーの粉末化に成功?

日本人科学者がコーヒーの粉末化に成功

1901年、アメリカで行われた博覧会で、日本人科学者である加藤サトリ(サルトリ)氏は「ソリュブルコーヒー」を発表しました。

ソリュブルの意味は「溶ける」。加藤氏は液状のコーヒーを粉の状態にすることに成功し、これがインスタントコーヒーの誕生と言われています。

残念ながら商品化には至らず、数年後、アメリカ人のジョージワシントン氏が開発した別の方法でインスタントコーヒーが生産されました。

インスタントコーヒーが日本で広がりを見せたのは昭和30年代

昭和30年代に日本で広がりを見せた

インスタントコーヒーが日本で一般的に普及されたのは、1939年の第二次世界大戦から十数年後。コーヒー豆は1960年に、インスタントコーヒーは1961年に輸入が全面自由化となったことで、コーヒーは一般に普及していきました。

これは、元号でいうと昭和30年代にあたります。溶かすだけでコーヒーが飲めるのですから、インスタントコーヒーの人気が広まるのも頷けますね。
ここまではインスタントコーヒーの歴史について紹介しましたが、次は現在あるインスタントコーヒーの2つの製造方法についてお届けします。

インスタントコーヒーの製造方法は2種類!

製造方法は2種類

インスタントコーヒーには、スプレードライ製法とフリーズドライ製法の2種類があります。どちらも焙煎されたコーヒー豆から抽出した濃縮液を作る過程までは同じ。

スプレードライ製法は、乾燥塔と呼ばれる高温の中に濃縮液をスプレー状に噴出させることで、濃縮液の水分が蒸発して粉末のコーヒーができます。スプレードライ製法では細かい粒子ができるので、水や牛乳にも溶けやすいものが多いです。

一方、フリーズドライ製法は、濃縮液を-40℃ほどの環境で凍結。そして、真空状態にして水分を飛ばすことで、粒の大きなインスタントコーヒーができあがります。こちらはコーヒーの香りを逃しにくいことが特徴です。

冷たいカフェオレやお菓子作りに使いたいならスプレードライ、香りや味わいをしっかり楽しみたいならフリーズドライという風に選ぶのも良いですね。

どこでも気軽に飲める!缶コーヒーの歴史

缶コーヒーの歴史

今や自販機やコンビニなどで当たり前のようにある缶コーヒー。
ホットもアイスも、無糖もミルク入りもあって、たくさんの種類から選べますよね。近年ではペットボトル入りのコーヒーも登場し、ますますバリエーションの広がりを感じます。

このようにとても身近な缶コーヒーは、どのように誕生したのかを見てみましょう。

缶コーヒーの誕生は約50年前

缶コーヒーの誕生50年前

1969年、UCC上島珈琲から「UCCコーヒーミルク入り」が販売されました。ミルク入りの缶コーヒーの誕生はこれが初めてです。

当時は瓶入りのミルクコーヒーが主流でしたが、瓶はお店に返却する必要がありました。そこで気軽に飲めるコーヒーを作るため、缶入りミルクコーヒーの開発がなされたのです。

「UCCコーヒーミルク入り」は現在も愛される缶コーヒー。筆者も子どもの頃から馴染みがあり、「何だか大人になれたみたい」と美味しく飲んでいたのを思い出します。

缶コーヒーが広まったきっかけは大阪万国博覧会!

大阪万博がきっかけ

「UCCコーヒーミルク入り」が販売された翌年、大阪で万国博覧会が開かれました。「UCCコーヒーミルク入り」は万博で多くの人に飲まれ、缶コーヒーが広く認知されるように。

缶コーヒーという概念が広まってから今日まで、実に多くのメーカーから缶コーヒーが販売されています。

1972年には、ポッカレモン(現:ポッカサッポロフード&ビバレッジ)から「ポッカコーヒー」が販売されました。自販機やコンビニで見かけるコーヒーには、「コーヒー」や「コーヒー飲料」などと様々な表示を見かけませんか?

ポッカコーヒーは、コーヒー飲料類の表示で初めて「コーヒー」の規格を満たした缶コーヒーです。

喫茶店やカフェで飲むコーヒーのように、より本格的なコーヒーとなるようにメーカーの工夫がなされているのですね。

歴史を知るともっと美味しく感じるかも!

歴史を知るともっと美味しく感じるかも

インスタントコーヒーや缶コーヒーの歴史について紹介しました。
日々、多くの方法でコーヒーを楽しめますが、これらは開発した人たちの並々ならぬ努力があるからこそですね。

歴史を辿った後に飲むインスタントコーヒーや缶コーヒーは、また別格の味になるのではないでしょうか。
ぜひコーヒーの歴史に思いを馳せながら、コーヒータイムを楽しんでみてくださいね!

(参照)
・全日本コーヒー協会 コーヒー歴史年表
           コーヒー図書館 コーヒーができるまで インスタントコーヒー
http://coffee.ajca.or.jp/

・日本インスタントコーヒー協会 インスタントコーヒー入門
https://instant-coffee.org/

・UCC上島珈琲株式会社 UCCミルクコーヒー
https://www.ucc.co.jp/milk-coffee/

・ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 ポッカコーヒーオリジナルの歴史
https://www.pokkasapporo-fb.jp/

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