上白糖とグラニュー糖、違いはなに?砂糖の個性で料理を楽しむ

2021.10.08
フード
上白糖とグラニュー糖、違いはなに?砂糖の個性で料理を楽しむ

私たちの生活に欠かせない基本調味料である砂糖。
でも同じ砂糖でも、もっとも馴染み深い上白糖・グラニュー糖の他、黒糖・てんさい糖・きび砂糖などその種類はさまざま。
一度も使ったことのない砂糖もあるかもしれませんね。

この記事では、それぞれの製法や風味や色、味わいなどの違いの他、それぞれの個性に合った使い分けもご紹介します!

砂糖は2種類に分けられる

砂糖は2種類に分けられる

よく「白い砂糖は漂白している」と勘違いしている人がいます。
でも実は、白い砂糖は本当は無色透明なのです!

砂糖の主成分のショ糖は無色透明の結晶。この結晶の表面が光で乱反射しているため、私たちの目には白く見えています。雪が真っ白に見えるのと同じ原理ですね。

日本で使われている砂糖の原材料は主に「さとうきび」と「てんさい(砂糖大根)」で、それらを絞った汁を使って砂糖が作られています。
ちなみに砂糖の種類は使われている原材料にかかわらず、精製方法によって2種類にわけられます。

精製糖
しぼり汁から不純物やミネラルを取りのぞいたショ糖だけを結晶化させたもの。
クセがなく、糖分以外の栄養素はほぼ含まれていないため純度が高く、強い甘みが特徴です。

含蜜糖
しぼり汁のミネラルを残してそのまま煮詰め結晶化させたもの。
素材の味わいによる個性が出るためクセもあり、コクのある甘みが特徴です。

上白糖(精製糖)

上白糖

日本で使われている砂糖の約半分以上をしめているのが上白糖です。
きめが細かく、仕上げに糖液(ビスコ)をかけているためしっとりとしているのが特徴です。

上白糖におすすめの料理

基本的になんにでも合う万能選手のような砂糖です。
グラニュー糖よりも焼き色がつきやすいので、キレイな焼き色でしっとり仕上げたいパウンドケーキやマドレーヌなどとも相性がよい砂糖です。

グラニュー糖(精製糖)

グラニュー糖

上白糖よりも結晶がやや大きいため、サラサラとしています。
クセのない淡白な甘みが特徴で、素材の味を生かしてくれる砂糖です。

グラニュー糖におすすめの料理

基本的には上白糖と同じくどんな料理にも合うシンプルな砂糖です。
元の味を邪魔しないため、コーヒーや紅茶などの飲み物にもよく合います。
焼き色がつきにくいので、スポンジケーキなどの焼き色をあまりつけたくないお菓子に最適といわれています。

三温糖(精製糖)

三温糖

三温糖は、上白糖やグラニュー糖を取り出した後の糖液をさらに煮詰めて作られています。煮詰めたことでカラメル色になり、独自のコクと風味を感じる味わいに。
色のイメージからミネラルがふくまれた含蜜糖と思われがちですが精製糖の仲間です。

三温糖におすすめの料理

香ばしくコクがあり和食によく合います。
とくに煮物や佃煮、照り焼きなどの甘辛さを感じる料理に使うと、味に奥行きがでるのでおすすめです。

きび砂糖(含蜜糖)

きび砂糖

まろやかな甘味と香ばしい風味がある、薄茶色の砂糖です。
精製途中の糖液を煮詰めて作られており、サラサラとした粉末状なので幅広い料理に使えます。
とくに照り焼きや豚の角煮など、コクのある料理と相性抜群。
カステラやクッキーなどの焼き菓子に加えると、まろやかで自然な甘味が楽しめます。

きび砂糖におすすめの料理

一時期SNSで「きび砂糖を使うとなんでも劇的においしくなる」と話題になりました。
代表レシピとして数多く登場したのがポテトサラダ。
他にも煮物やタレなど、オールマイティの活躍が期待できる砂糖です。

てんさい糖(含蜜糖)

てんさい糖

てんさい(砂糖大根)からつくられる薄茶色の砂糖で、クセがあまりない優しいあっさりとした味のため、精製糖の代用品として使いやすい砂糖です。
「栄養価が高くてすっきりとした味の砂糖を使いたい」という人にはぴったり。
ミネラルの他にもた天然のオリゴ糖が豊富です。

てんさい糖におすすめの料理

つぶが大きめで溶けにくいですが、基本的にはなんにでも合うシンプルな砂糖です。
ホイップクリームなど白く仕上げたいものには、色がついてしまうので向いていません。

黒砂糖(含蜜糖)

黒砂糖

ミネラルだけでなく、ビタミン類やたんぱく質も含まれている栄養価の高い砂糖で、さとうきびのしぼり汁を精製せず、そのまま煮詰めて作られています。
黒糖と呼ばれ、沖縄や奄美大島、種子島の特産品としても有名です。
料理に使うだけでなく、そのままオヤツとして食べることも。
独特のコクと風味、強く感じる甘み、かすかな苦味、と個性の際立つ砂糖です。

黒砂糖におすすめの料理

かりんとうの味のイメージが強い黒砂糖は、和菓子にぴったりの砂糖です。
豚肉との相性も抜群なので、ラフテーなどの沖縄郷土料理や肉じゃがにもピッタリ。
黒豆やかぼちゃを煮たり、蒸しパンなどのに使っても味に深みを与えてくれます。

和三盆糖(含蜜糖)

和三盆糖

竹糖(ちくとう)とい種類のさとうきびから作られた、細やかな粒子で口どけのよい和菓子作りに欠かせない高級砂糖です。

日本の伝統的な手法ですべて手作業によってつくられ、作られている地域も香川県と徳島県の両県のみ。三盆とは「盆の上で蜜を三度抜く」という独自の精糖工程が由来とされています。

和三盆糖におすすめの料理

さらりとした口溶けと優しい甘さで、主にお菓子づくりに向いています。
そのまま固めて落雁などの干菓子に したり、カステラや焼き菓子にも。

また最近ではプリンやロールケーキなどの洋菓子に使われることも多くなってきました。
クッキーに使うと優しい甘さと独特なホロホロとした食感となります。

砂糖の個性を理解すれば料理がますます楽しくなる

砂糖の種類によって食感や甘さ、コクや味わいなどさまざまな特徴があります。身近な調味料だけど、なんとも奥が深い魅力的な存在ですね。
それぞれの個性に合わせて使い分けるのも楽しそうです。
自分好みの組み合わせを見つけてみてください!

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